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本物の舞台芸術に感激! ~バリアフリー演劇鑑賞~

 10月3日(水)、中学部生徒と高等部生徒が、パルセいいざかで、バリアフリー演劇「Touch~孤独から愛へ~」を鑑賞しました。

 この演劇公演は、公益財団法人福島県文化振興財団様が、福島県文化芸術連携事業として、県内の特別支援学校の児童生徒のために企画してくださり、バリアフリー演劇公演に精力的に取り組んでいらっしゃる「東京演劇集団 風」の皆さんが熱演しました。

「バリアフリー演劇」とは、「目の不自由な方も耳の不自由な方も、みんなで一緒に舞台を楽しめるように、様々な鑑賞サポートを取り入れた演劇」の呼び名で、セリフの字幕表示や音声ガイドを提供するほかシナリオや演出にも工夫を加えていこうという新しい試みだということです。(東京演劇集団 風さんのWEBサイトより)

 本校では、視覚障がいのある幼児児童生徒が学んでおり、芸術鑑賞等の学習においては、目で見て鑑賞するということが難しいという実情がありました。生徒達は、事前の学習でも、本物の演劇を鑑賞するというまたとない機会を楽しみにしていました。

公演前のバックステージツアー(舞台体験)
公演前のバックステージツアー(舞台体験)

 公演の前には、バックステージツアー(舞台体験)がありました。舞台に上がって、セットや小道具に触れることができる体験活動です。

生活感の漂うシンクを触って確かめています
生活感の漂うシンクを触って確かめています


ガステーブルを触って確かめています
ガステーブルを触って確かめています

 本校では、ふだんの学びや生活の中で、事物のイメージを持ち、考えるための基礎となる言葉や概念を身に付けさせるために、実際に触れて確かめる体験を持つことができるように教育活動を展開しています。バックステージツアーは、まさしく本校の生徒にふさわしい体験でした。


キャストの佐野準さん(右)と、演技について話をしています。
キャストの佐野準さん(右)と、演技について話をしています。


舞台のソファに座って、小道具に触らせてもらいました。
舞台のソファに座って、小道具に触らせてもらいました。


キャストの佐藤勇太さん(右)とスタッフの方(左)と写真撮影をしました。
キャストの佐藤勇太さん(右)とスタッフの方(左)と写真撮影をしました。


空きびんも本物なので、ラベルも英語です。
空きびんも本物なので、ラベルも英語です。


舞台手話通訳者の小島祐美さんとともに水道の蛇口を触って確かめています。
舞台手話通訳者の小島祐美さんとともに水道の蛇口を触って確かめています。


白杖を用いて2階からの階段のセットを下りて来る生徒
白杖を用いて2階からの階段のセットを下りて来る生徒


セットの一角に映し出される字幕

 セットの一角には、聴覚障がい者のために、字幕が映し出されます。

 また、音声ガイドの辻由美子さんが、リアルタイムで俳優の動きなどをナレーションします。

 劇中当時の生活状況がリアルに表現されているセットや小道具などに触れることによって、俳優がどのような舞台で、どのような小道具を使って演じているのかが、格段に分かりやすくなり、生徒達は演劇の内容の理解を十分に深めることができました。

 キャストの佐野準さん、佐藤勇太さん、柳瀬太一さんの喜怒哀楽の豊かな表情や人間味に溢れる素晴らしい演技など、生徒教職員一同、大いに心を打たれました。また、小島祐美さんの表現力に富んだ手話通訳や、辻由美子さんの絶妙な音声ガイドを始め、キャストやスタッフの皆さんの演劇に対する情熱までもが伝わってきて、感動のひと時を過ごすことができました。

 生徒や教職員からは、「2人に愛情を注いだハロルドが格好良かった」「小道具やセットにも触ることができて、本物が使われていたことに驚いた」「演技等について俳優の方とお話しすることができて勉強になった」「視覚障がい者でも楽しめる新たな演劇の可能性を感じた」等の感想がありました。

 東京演劇集団 風の皆さん、福島県文化振興財団の皆さん、すばらしい感動を本当にありがとうございました。