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白杖体験(新転任者研修)

 新任や転任で新しく本校に着任した教師の白杖体験研修です。

 まずは、全盲の教師による説明がありました。

「白杖を左右に一定の幅で振りながら歩きます。」
「右足を踏み出した時には、白杖を左に振り、左足を踏み出した時には、右に振ります。」
「白杖の振りと、足の踏み出しが逆になってしまうと、電柱などの障害物にぶつかってしまいます」
「足を踏み出すよりも先に、白杖で障害物の有無を確かめているわけです。」

 さて、アイマスクを着けて、スタートです。
 ここは、児童生徒昇降口の近くにある点字ブロックです。

そろりそろりと歩き出します。
そろりそろりと歩き出します。
少しずつ、左に寄ってしまっています。
少しずつ、左に寄ってしまっています。

 実際にアイマスクを着けてみるとわかりますが、視覚による情報が奪われるため、ちょっと怖いです。
 スタスタとまっすぐ歩けるようになるためは、相当の訓練が必要です。

たまに、立ち止まって位置や方向を確かめます。
たまに、立ち止まって位置や方向を確かめます。

 視覚情報が全くないため、近くにいる人の気配や声、吹いている風やにおい、周囲の音など、あらゆる感覚情報が大切になってきます。

全盲の教員による模範歩行です。
全盲の教師による模範歩行です。

 縁石などがある場合には、このように、白杖を縁石などに当てながら歩くと、まっすぐ歩くことができます。
 けれども、左側にも振りながら歩かないと障害物にぶつかってしまうため、安心はできません。

公道に出て、歩道も歩きます。
公道に出て、歩道も歩きます。

 アイマスクを着けていると、そばを自転車や自動車がばんばん通ると考えるだけでも、怖いです。

 盲人用信号機のない交差点などでは、停車していた自動車が発車したことをエンジン音等で感じ取って、信号が青になった、ということを判断しなければなりません。

 視覚障がい者は、「命がけで歩いている。」と言います。
 交通ルールを守る人々への信頼のもとに、視覚障がい者の交通安全が確保されています。

 白杖を持って歩いている方を見かけた時には、ご配慮をお願いします。